【秀哉の囲碁入門⑤】石を取る手筋~シチョウ~

シチョウ

今回は、石を取る手筋である「シチョウ」についてお話しします。

今回の話も非常に重要で、シチョウが理解できると対局がスムーズに進みますし、新しく出てくる「石の方向」という概念が分かります。

丁寧にやっていきますので、是非ゆっくりご覧ください。

シチョウとは?

シチョウとは、相手の石をアタリにし続けて碁盤の端に追い込み、丸ごと取ってしまう石の取り方です。

シチョウ

こんな感じの「階段」みたいなジグザグな形になって、

シチョウ

こんな風に全部取る事ができます。

どうしてこのようなことになるのか、具体的に見ていきましょう!

シチョウの仕組み

シチョウとはどういう攻め方なのかを、ゆっくり解説していきますね。

シチョウ

このような形で黒番だったとします。

中央にいる白一子をうまくアタリにして取りたいです。

そう思ったときに、

シチョウ

黒はAとBの二通りのアテ方がありますね。

どちらからアタリをかけるのが良いでしょうか?

まず、黒Aと打った場合から見ていきましょう。

シチョウ

黒1と打てば、白一子がアタリになりますね。

対する白は、取られないようにするためにアタリから逃げます。

シチョウ

白2が、白一子を取られないようにした「アタリから逃げる」という手です。

この時に、白の逃げ道を見てみましょう。

シチョウ

このように白から3本の逃げ道が出ています。

こうなると、次の黒がどこに打っても白をアタリにできませんね。

「逃げ道が増えてしまった」とも言えます。

シチョウ

ということで、最初の図で、「黒Aのアタリは良くない」ということになります。白に逃げられて、逃げ道が増えてしまうのですね。

今度は黒Bの方からアタリをしてみましょう。

シチョウ

黒1です。ここに打つ事で白がアタリになりました。

次は白番になりますので、アタリから逃げてみましょう。

シチョウ

取られないためには白2と打つ事になりますね。

ではここで、白の逃げ道を数えてみます。

シチョウ

このように、白の逃げ道は2本です。

さっきよりも少ないですね。

そして、白の逃げ道が2本しかないということは、次の黒番で、白をアタリにできるということなのです。

シチョウ

黒はAかBのどちらかに打って、白をアタリにすることができます。

どちらからアタリにしますか?

白の逃げ道が少なくなるようにアタリしていきたいですね。

まずは、黒Aのアタリから見ていきましょう。

シチョウ

黒3です。ここに打つと白二子がアタリになります。(このように石数が増えても、逃げ道が一つしかなければアタリなのです。)

では、対する白は取られないように逃げます。

シチョウ

白4ですね。(この場所を黒に打たれると、白二子が取られてしまうことを確認してみて下さい。)

そして、白4と打ったときの白の逃げ道は…

シチョウ

3本です。

これでは次の黒番で、白をアタリにすることができませんので、黒としてはまずい状況です。

白の逃げ道が増えてしまったのですね。

ということで…

シチョウ

黒1、白2となった後の次の黒は、Aからアタリをするとうまくいきませんでした。

ですので、今度は黒Bと打ってみます。

シチョウ

黒3ですね。

対する白がアタリから逃げたときに…

シチョウ

白の逃げ道が2本だけになります。

これは、黒にとって良い状況ですね。

次の黒番で、またアタリをかけることができるからです。

シチョウ

AとBのどちらからアタリをしますか?

頭の中で、

黒がアタリをする

白がアタリから逃げる

白の逃げ道を数える

というシミュレーションができたらすごいです。(これが「読み」というやつです。)

実際に展開を進めてみますね。

まず、黒Aとアタリをすると、

シチョウ

黒5、白6となります。

そして、白の逃げ道は、

シチョウ

このように3本です。

これでは、黒は白を取りづらくなりますね。

シチョウ

今度は、黒Bからアタリをしてみます。

シチョウ

黒5ですね。

そうすると…

シチョウ

白がアタリから逃げたとしても、逃げ道は2本しかありません。

黒5(B)が良いアタリの仕方だったということです。

さて、だんだん規則性が見えてきたと思いますので、少し別の視点で見てみましょう。

石の進行方向

シチョウ

黒1~白4までの展開になったときに、(碁盤をお持ちでしたら手順を並べてみて下さい。)

シチョウ

白4はこの矢印のように進んでいます。

黒は、この進行方向を止めるイメージで打つと良いのです。

シチョウ

黒5ということになります◎

OKでしょうか。

この考え方で続きを見ていきましょう。

シチョウ

白が6と逃げてきたときに、白の進行方向を考えます。

白6は…

シチョウ

このように進んでいます。左から右へ石を増やしているのですね。

この石の進行方向を何となく掴んでおいていただくと、今後色々な場面で役に立ちます。

シチョウ

黒は7と打って、白の進行を止めれば良いのです。

シチョウ

そうすると、白が8と逃げたとしても、

白の逃げ道が少ない状況をキープすることができます。

次の黒番で、またアタリをすることができるのですね。

そして、白8の進行方向は…

シチョウ

このように、下から上です。

ということですので、

シチョウ

黒9が良い手になります◎

大丈夫そうでしょうか。

今後もこのような動きを繰り返していきます。

シチョウ

すると、白10~黒15という展開になり、この状況は、

シチョウ

白を全て取る事ができています。

話が長くなりましたが、これが「シチョウ」という取り方です。

まとめ

最後にシチョウについてまとめますと、

シチョウ

このような状況で、

シチョウ

黒1~15まで、白の逃げ道が少なくなるように進行方向を止めるイメージで攻めていくと、最後は碁盤の端に追いつめて取る事ができるのでした◎

どうでしょうか。

碁盤に手順を並べてみるだけでも面白いので、碁盤と碁石をお持ちでしたら是非並べてみて下さい。

シチョウの練習問題

シチョウの練習問題をご用意しましたので、ご活用ください!

シチョウの練習問題①
https://s-yosuke.com/shichou-1.pdf

練習問題①の解答
https://s-yosuke.com/shichou-1-kaitou.pdf

シチョウの練習問題②
https://s-yosuke.com/shichou-2.pdf

練習問題②の解答
https://s-yosuke.com/shichou-2-kaitou.pdf

URLをクリックすると、PDFファイルが開きます。(引用元:【囲碁の練習問題】習うより慣れる!初級手筋・死活問題をプレゼント

是非やってみて下さい!

では、最後まで読んで下さりどうもありがとうございました。

次回もよろしくお願いします!

※続けて次の記事も見たい方はこちら:
【秀哉の囲碁入門⑥】一局の流れ(1)

吉祥寺囲碁クラブ秀哉の「入門レッスン」開催中!

囲碁のルールから打ち方までをしっかりと学べる「囲碁入門レッスン」を開講しました。少人数制のアットホームな入門講座です。

1人で学ぶよりも、効率よく短期間で囲碁が打てるようになります。是非、詳細を見てみて下さい!


詳細を見てみる

SNSでもご購読できます。