【秀哉の囲碁入門⑱】死活について(4)「欠け眼」とは?

今回は「欠け眼(かけめ)」というものについて学んでいきましょう。

欠け眼は、「眼のようで眼ではない」という紛らわしいものですが、囲碁を打っていく中でとても大事な概念です。

考え方をゆっくり見ていきましょう。

「欠け眼」とは?

欠け眼(かけめ)とは、「石のつながりが欠けた眼」のことです。

どういうことか解説していきますね。

「眼」の仕組み

二眼の図

まずはこの図をご覧ください。

この黒は、白に囲まれていますが、

二眼の図

AとBに眼があって、生きています。(取られません。)

仕組みとしては、

二眼の図

このように縦横の線で、石がちゃんとつながっているから、黒がアタリにされないのです。

ということなので、

二眼の図

仮に、白×のように一ヵ所が白になったとしても、

二眼の図

こういう風に線で石がつながっているので、黒はアタリになりません。

二眼の図

AとBは両方ともちゃんとした「」で、黒は生きているのです。

「欠け眼」の仕組み

では、欠け眼の図を見ていきましょう。

欠け眼

こうなると「欠け眼」になります。

白×が増えたことによって、黒△がアタリになっていますね。

欠け眼

黒Bとつなぐ必要が出てきて、眼が石で埋まってしまいます。

こういう状況が「欠け眼」です。

欠け眼

白×がいることで、Bの場所が眼にはならないのです。(Bが欠け眼

この図の場合は、黒Aの一眼しかできず、黒が全部取られてしまうのですね。

アタリになっていなくても欠け眼

ここが欠け眼の話で難しいところなのですが、

欠け眼の図

このように、黒△がアタリでなくても

欠け眼の図

白×につながりをジャマされていると、Bの場所は欠け眼になります。

Aにしか眼がなく、この黒一団は「死に石」になるのです。

黒が助からないことの証明としては、

欠け眼の図

黒が1と抵抗したとしても、黒は結局アタリになってしまいますね。

助けるために石で埋めなければならず、眼にならないのです。

OKでしょうか。

欠け眼の例

欠け眼の例

この状況も「欠け眼」です。

どれが欠け眼なのかというと…

欠け眼の例

Bの場所です。

よく見ると、黒△がアタリになっていますね。

仕組みとしては、

欠け眼の例

白×によって、黒△が切り離されてしまっているから「欠け眼」になるのです。

白×さえいれば、

欠け眼の例

白△がこのように離れていても、

欠け眼の例

このようになっていても、Bの場所は欠け眼なのです。

欠け眼の例

たとえば黒が、黒1などと抵抗をしても、白2と打たれると黒四子がアタリになってしまいますね。

欠け眼の例

白×がいる限り、黒がアタリになることを避けられないのです。

反対に、

眼の例

×のどちらかが黒石ならば、この黒はアタリされませんので「二眼」を持って生きている石ということになります。

眼の例

こんな風に縦横の線で、石同士がつながっているということが大事なのでした。

ややこしいところですが、大丈夫そうでしょうか。

まとめ

欠け眼とは、石のつながりが欠けた眼のことで、石の「生き死に」の時に眼としてカウントされません

欠け眼

白×によって、Bの場所が欠け眼になっているのでしたね。

反対に、

眼

×の場所が黒石になるだけで、

眼

このように石がつながって「」になります。

どうでしょうか。

死活の時以外でも、「石がどこまでつながっているのか」を見ることは大切です。

是非、対局のときに意識してみて下さいね。

では、最後まで読んで下さりどうもありがとうございました。

次回もどうぞよろしくお願いします!

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【秀哉の囲碁入門⑲】死活について(5)「中手」とは?

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